きみは宇宙でいちばんかわいい


決して派手でないデザイン。
大きさも控えめだし、形もシンプルだ。

けれど、彩芭くんのもつ、天然の髪色や、透き通った瞳に、とてもよく映えるピアスだと思う。


世界中の誰でもない、間違いなく彼のためだけに作られたそれは、彼のお父さんやお母さんの愛情を、見える形として、しっかりと具現化したものなのだろう。


「きなこちゃんは? 誕生日、いつ?」

「わたしは彩芭くんの、ひと月前だよ。2月なの」

「じゃ、アメシスト? 綺麗なパープルで、俺、好き」

「うん……、わたしもすごく好きなんだ。いつか彩芭くんみたいに、なにかアクセサリーとして身に着けられたらいいなぁって、実は、ひそかに思ってたりもするんだけど……」

「へえ、いいじゃん。きなこちゃん、すげー似合うと思う」


たとえお世辞でも、彩芭くんにそう言ってもらえたことが、なんだか嬉しい。

いまはまだ難しいとしても、いつか本当にそうできたらいいなって、なんとなく想像してみたら、ものすごくどきどきしてしまった。

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