きみは宇宙でいちばんかわいい
「ちがう……、朝香ちゃん、わたし、そんな子じゃないんだよ。ぜんぜん、優しくなんてないの」
今度はわたしがしゃべる番だった。
止まらない涙といっしょに、ずっと言えないでいた事実が、ダムが決壊するみたいに、いっきにあふれはじめる。
彩芭くんと過ごした、放課後の勉強会。夏休みのデート。
手を繋いだこと。キスしてしまったこと。
気づけば、全部、洗いざらい話していた。
「わたし、ずっと、朝香ちゃんのこと、騙してたんだよ。いま、朝香ちゃんがこの話をしてくれてなかったら、自分から打ち明けることは、絶対になかったと思う」
その場しのぎの謝罪をいくら口にしても、きっと、ぜんぜん、足りないだろう。
「朝香ちゃんに嫌われるのが怖くて、言えなかった。それは、絶対的に、自分のためだった。だからね、わたしは……ほんとうは、最低の人間なの」
許されたいわけじゃない。
こんなのは、きっと、ただの自己満足にすぎない。
「……ほんとうに、ごめんね……、ごめんなさい……っ」
でも、いまはそう言いつづけていないと、心の端っこのほうからどんどん腐敗して、すぐにでも死んでしまう気がした。