きみは宇宙でいちばんかわいい
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いつまでも、ずるくて最低な自分ではいたくない。

強くそう思っているのは本当なのに、一歩目の踏みだし方が、わからない。


結局、3泊4日の北海道への旅はあっというまに終わり、すぐに、期末考査がやってきてしまった。


わたしが必死にテスト勉強に追われている間に、街は、すっかりクリスマスの装いだ。


そこらじゅうがキラキラしていて、いつもは、なにをしていても、心が躍る季節。

だけど、今年は、真逆の感じがしている。


だって、もうすぐ、2学期が終わってしまうから。

久遠彩芭くんは、この冬休みのあいだに、イギリスに帰国する。



そうこうしているうちに、気がつけば、終業式の日を迎えていた。

彩芭くんに話しかけようと何度か試みたものの、彼はいつも多くの友達に囲まれて、すごく楽しそうにしているから、なかなかむずかしくて。


やっぱり、どうしても、引け目を感じてしまうよ。

朝香ちゃんはああ言ってくれたけど、いざ目の当たりにすると、現実として、わたしたちのあいだに“差”が存在していることを、実感する。


彼と、わたしとでは、そもそも住んでいる世界が違うのだと。

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