きみは宇宙でいちばんかわいい
だけど、そうだ、
いつまでも、ずるくて最低な自分ではいたくない。
せめて、史上最低だった文化祭の夜のことくらいは、ちゃんとケリをつけたい。
たとえ、いま、彩芭くんが、それを望んでいないのだとしても。
全部が、単に、わたしの自己満足にすぎないのだとしても。
だって、何度も夢に見ては、切なくてたまらなくなるの。
頬に、いくつもの涙の痕を残しながら、伝えてくれた言葉。
やさしく手を握り、もう大丈夫だと言って、見せてくれた笑顔。
最後に、名前を呼んでくれた声色。
くちびるが触れあったときの温度。
あのとき、彩芭くんが浮かべていた、すごく苦しい表情。
わたしは、あのすべてに対して、誠意をもって応えなくてはいけなかった。
だから、このまま飛行機に乗って、遠い場所に、行ってしまわないでほしいよ。