きみは宇宙でいちばんかわいい
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結局、ろくに眠れないまま、気づけば朝を迎えていた。

上手に二度寝をすることもできず、仕方がないので、ベッドから這い出る。



わざわざわたしを呼び出してまで、柊くんが話したいことって、いったい何だろう?


咄嗟に頭に浮かんだのは、お兄ちゃんから見せられた写真だった。

柊くんと彩芭くんの“デート現場”をとらえたという、衝撃的な、あの一枚。


というか、どれだけ考えてみても、いっこうに、他の答えにたどり着くことができなくて。



つまり、柊くんがわたしに話したがっているのは、

――“じつは、俺と久遠、つきあうことになったんだ”

なんていう報告なんじゃないかって。



ありえないことはない。

というか、そんなのはぜんぜん、起こりうる話だ。


そもそも、柊くんの好きな人は、はじめは知らなかったとはいえ、彩芭くんなわけで。

彩芭くんのほうも、文化祭の一件があって、あんなにかっこよく庇ってくれた柊くんに、特別な感情が芽生えたのだとしても、無理はない気がする。


男の子どうしなんて、関係ない。

お互いに好きあっているのなら、恋人になるのは、ごく自然なことだと思う。

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