きみは宇宙でいちばんかわいい
「ななを変えたのは、久遠なんだろ?」
そして、静かに、そう続けた。
泣きながらうなずくことしかできない自分が、本当に情けない。
「ほんと、ななの言う通りだよ」
「え……」
「久遠がいるから、世界は変わっていく、って、ミスコンのスピーチのやつ。それを、あいつに言ったのは、ななだろ?」
柊くんは、質問の答えは求めていなさそうにしゃべりながら、ダウンジャケットのポケットから何かを取りだした。
出てきたのは、白い封筒のようなもの。
それをこちらに差しだすと、とても真剣な目をして、わたしを見たのだった。
「――なな。あいつ、きょうの昼すぎのフライトで、イギリスに帰るって」