170回、好きだと言ったら。
張り詰めた空気に押されたあたしは、ぼろぼろと涙が零れ落ちた。
…こんなテルくんを見るのは、昔以来一度もなかった。
しかもあたしに対して見せるのは、これが初めてだろう。
後ずさりそうになると、テルくんの瞳が一瞬揺らいだ。
「…飛澤といいてめぇは悪運に愛されてんのかよ。
俺が目ぇ離した瞬間誘拐されるわ、知らねぇ間に副総長と関わってるわ……」
「ご、ごめんね、テルくん……」
「……おい、佐久間。実衣を頼んだ」
「照道、どこ行くんや!?」
手を振り払うように離されて、テルくんはそのまま出て行ってしまう。
涙が止まらないあたしは、出て行ってしまったテルくんの方へ視線を向けたまま動けずにいた。