170回、好きだと言ったら。



佐久間さんに手を引かれながら二階へ連れられると、ベッドと机しかない部屋に入った。


あまりにもシンプルな部屋に辺りを見渡すと佐久間さんがベッドに腰を下ろした。


「…で、唐突で悪いんやけど何であの男とおったん?」

「……えと」

「隣座ってええから。警戒しんくてええんやで」

「は、はい…」


とりあえず言われた通りに佐久間さんの隣に腰を落ち着かせると、膝の上で両手を握り締めた。


「……彼とは、あたしの学校近くにあるスーパーで出会った人なんです。
まさかテルくんの敵対する人だとは全く知らなくて…」

「…そうかいな。まあ照道は肝心なことほど言わん男やからなあ」

「えっと…佐久間さん。テルくんとは…知り合いなんですか?」

「俺と照道は沖宮…、待ってや? アンタの苗字何て言ってたんやったっけ」

「…沖宮です」

「それってつまりや、アイツの妹ってことなんか!?」


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