170回、好きだと言ったら。



可愛い?

違う。

好きだ?

そんなんじゃ足りねぇよ。

―…一生隣にいればいいのに、が正解だ。



実衣の兄貴は喧嘩に参加しない分、誰かを分析したり観察することが多かった。
そのせいで俺の気持ちは小学生の頃にバレてアイツが死ぬまでいじられたこともある。


《照道、みーちゃんのこと好きなんだね。へーでもやだなあ、照道プライドがエベレスト並みに高いし、何か目つき悪いし。
口数少ないと思えば好きな子の前だと喋れるって、ちょっとあからさま?だよね》

《うん、だから照道が大人になってからじゃないとみーちゃんは渡せないよ》

《それに…昔から身体が弱いからってみーちゃんを突き放そうとしてさ。
中途半端な距離感保ってたでしょ。それがどれ程みーちゃんを傷つけてると思ってるの?》


散々アイツに説教された言葉は、どれも俺の胸に響くようなものばかりだった。


そして極め付けに言われた、たった一言。

俺はその言葉を聞いて、実衣の傍にいようと誓ったのだ。


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