170回、好きだと言ったら。
○テルくん再会してしまいました
《Side:実衣》
修学旅行まで残り100日を切った日のこと。
テルくんの仲間である潤さんや桃妃子さんと出会ってから、既に一週間が経過した。
あの日以来、テルくんは学校へ来ない。
あたしの携帯に届いたメールもあの日以来止まったままだった。
《暫く連絡出来ねぇ。心配かけねぇから実衣はそのままでいろ》
そして今日、何故か校門のところに潤さんが待ち伏せているのを見て驚いた。
一緒に帰ろうと誘ってくれた小野瀬さんも、あたしが目を丸くさせているのを見て「知り合い?」と首を傾げた。
「あんな照道が今忙しいから、俺が来たんやけど…何か友達とおるところすまへんな。
何やったらその子も一緒に来てええわ。
丁度、桃妃子も出迎えに来とるし、その後ろ乗せてもらえばええやろ?」
「……潤さん、何でテルくんが学校に来ないか理由知ってるんですか?」
「あー…まあ、な。せやけど、女絡みやないから安心せぇ」
「べ、別に疑ってません!」