170回、好きだと言ったら。
「おったおった!
実衣ちゃん、ほんま悪かったわ! 俺全然後ろ見てへんくて…」
「大丈夫ですよ! ここまで案内してくださった方がいたので…」
「ほんま? ソイツ変な野郎やないやんな?」
そ、そういえば小鳥遊さんはテルくん達と敵対する族の副総長だったっけ…!
あたし連絡先とか交換しちゃったけど、大丈夫なのかな……?
「ね、ねえ貴方。さっきいた彼の名前って」
「よかったー、やっと見つけたよ。沖宮さん…!」
「あ。小野瀬さん!」
少しだけ疲れた表情で合流した小野瀬さんは手を振っていた。
桃妃子さんが何かを言いかけた気がして、あたしが問いかけようとしたけれど。
何故か呆然としたままの桃妃子さんは、あたしにそれ以上聞いてこなかった。