170回、好きだと言ったら。
○テルくんに会いたいです
―じわじわとした気温にあたしは教室の机に突っ伏していた。
いつもならひんやりした机も何だか生温い。
小野瀬さんが休み時間にうちわを持ってあたしを扇いでくれたときは女神様かと思った。
「はああ…、小野瀬さーん。暑い…溶けちゃう……」
「ふふ、沖宮さんって暑がりなんだね。わたしまだ全然大丈夫だよ?」
「既に気温が30度超えているのに!?」
「どっちかと言えば寒がりだからかな?」
あたしは暑さにとても弱いため、毎年机に突っ伏しているイメージが定着しつつあった。
修学旅行に向けて、宿泊先やら自由行動など説明を聞いたけど、殆ど右から左へ流れて行った気がする。
修学旅行が9月で少し安心していた。
8月とかだったら、本当に熱中症で倒れてしまうところだった。