170回、好きだと言ったら。
その日の昼食は屋上だと直射日光で危ない気がしたのでとりあえず教室で食べることになった。
相変わらず小野瀬さんはパン一つしか食べていない。
「小野瀬さん、もっと食べたほうがいいと思うよ?」
「ううん…食欲とかあんまりないほうで」
「夏ばてじゃない? 大丈夫?」
「本当沖宮さんってお姉ちゃんみたい」
ふわりと微笑んだ小野瀬さん、やっぱり女神様だなと心の中で確定した。
すると、小野瀬さんが恥ずかしそうに「あのね」と話を切り出す。頬がピンク色だ。
「……こ、この前初恋の人見つけちゃったかも知れないの…」
「え!」
ガタッと思わず立ち上がってしまい、周りに白い目を向けられた。慌てて座り直すとなるべく声を潜めて、小野瀬さんに問いかけた。