170回、好きだと言ったら。



「そ、それって……バイクに乗ってるような人ってことだよね?」

「うーん…、それらしいバイクは駐車場に止めてあったけど、決定的だったのは黒縁のメガネをかけていたから。
出会った時も確かかけてたなー、ってその時思い出したの…!」

「……黒、メガネ……?」

「そう、コンビニでバイトをしてる人でね。学校から帰る途中に寄ったとき見つけて…」

「へ、へー…よかったね…。そこってもしかして杜禰通りの?」

「よくわかったね。そう、杜禰通りの…!
杜禰リマ先生の苗字だったから気になって行ってみたんだけど、よくよく思い返せばあの怖いカフェの近くだったの」


ど、どうしよう。
それってつまり…、小鳥遊さんだよね?
小鳥遊さんの住んでいる場所は確かに《はちみつば》スーパーの近く、杜禰通りだったはず。


目の前でお花をふわふわと浮かばせる小野瀬さんを一瞥して、あたしは心の中で頭を抱えた。


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