170回、好きだと言ったら。



ほ、本当に…小野瀬さんが好きなのは杜禰リマである小鳥遊さんだ。


「…それでね! 沖宮さんにも着いて来て欲しいの…!!
この前彼のレジに恥ずかしくて行けなかったから…」

「ええと…」


それはかなり修羅場になるのではないか、とあたしは冷や汗を流した。

小野瀬さんの初恋である小鳥遊さんは、あたしと何度か会っている人だ。
しかも連絡先を交換した仲。


言った方がいいのかな…? でも、そうしたら出会ったきっかけであるスーパーから話して、家に行ったことや杜禰リマ=小鳥遊さんということまで言わなければならない。

それは誤解を絶対に生んでしまうだろう。


「…お願い、沖宮さん!」


…テルくん、折角出来た友達と修羅場になるかも知れません。


< 146 / 284 >

この作品をシェア

pagetop