170回、好きだと言ったら。
そっと小野瀬さんの肩に顔を埋めると、小さく息を吸った。
…冷静になるんだ。
テルくんも小鳥遊さんも危険な目に遭わせたくない。
じゃあ…どうすればいいの?
わかんないよ、お兄ちゃん…。
あたし、お兄ちゃんやテルくんが嘘つきじゃないって信じているよ?
……でも、一瞬だけ揺らいでしまった。
テルくんがあたしに何か隠していることは、昔からずっと知っていたから。
どうして言ってくれないのだろう、そんなにあたしは頼りないから言えないの?なんて。
「沖宮さん……、一週間ちゃんと考えてみよう?
きっと方法なら幾らでもあるはずだから…!」
力強く言う小野瀬さんの瞳には、まだ薄らと涙の膜が張ってあった。