170回、好きだと言ったら。
お兄ちゃんならどうやって解決をした?
ここにテルくんがいてくれたら、何て声をかけてくれたの?
畳の上で寝転がると、ふとお仏壇に供えられた薄汚れた灰色のノートに目が留まった。
「……そういえばお兄ちゃんのお葬式が終わった後、このノートを見つけたんだっけ…。
でも遺書とかだったら絶対に泣くからって、結局見てなかったんだ…」
灰色のノートを手にして、既視感を覚えた。まだ捲ってもいないノートなのに、どこかで見たことがある…?
薄汚れてまるで誰にも見せないような、そんな雰囲気…。一体どこで…?
とりあえず表紙を捲ると、白紙の紙に思わず脱力した。
「さすがはお兄ちゃん…、ノートの初めは決まって白紙だったなあ…。
変なところでこだわりがあるんだから…」