170回、好きだと言ったら。



写真を見終えたあたしは、またノートへ視線を向けた。
2ページ目には、懐かしいお兄ちゃんの文字が並んでいる。


《今日から俺が悪鬼実野族の頭。気を引き締めたりするのは面倒だから、とりあえず全部照道に任せておこう》


「…お兄ちゃんらしい」


次のページを捲くれば、また一行だけ文章が現れた。


《バイク、いつもなら一人用で十分だったけどみーちゃんを乗せてあげたい》


《照道や潤達が今日も喧嘩してた。元気なのはいいけど後始末が面倒だからやめて欲しい》



他愛ない日常を綴ったお兄ちゃんの文章に、あたしは段々と目の縁に涙が溜まっていくのを感じた。


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