170回、好きだと言ったら。
○テルくん気持ちがまとまりません
―次の日、あたしは迷うことなく飛澤さんのカフェへ足を運んだ。
学校を休んでしまったのは気が引けるが、小野瀬さんに会えば甘えてしまうだろう。
今朝だってテルくんに会わないかひやひやしたけど、テルくんの家の灯りは一週間前から点いていない。
「俺は鞠を連れて来いと言った筈だが、お前一人で来たということはそれが答えでいいな?」
「……一晩考えても、結局答えなんて一生出ないと思いました。ただ、二人を危険な目に遭わせたくありません。
だから、あたしが貴方の言いなりにでも何でもなります…!
だから二人からは手を引いて下さい……!」
「…さすがは春威の妹。
俺の予想を上回ったか、気に入った」
開店前のカフェは夏だというのにひんやりとした空気が肌に触れた。
「俺の女になれ。そうしたら手を引いてやろう」