170回、好きだと言ったら。
○テルくんまた話し相手できました
小鳥遊さんと別れた後、あたしは飛澤さんの待っているカフェへと足を運んだ。
この場所に来るのはこれで最後にしたい。
だけどそれは叶わぬ願いだと分かっている。
ここに来るときだって、小鳥遊さんに《はちみつば》スーパーでいいと言った。
あの時、飛澤さんのいる場所へ行かなければならないとあたしが助けを求めたら。
彼は――、どうしたのだろう……。
「おい、何ぼんやり突っ立ってる。喧嘩を見せてやると言っただろう。行くぞ」
「ひゃっ!?? い、いつの間に背後にいたんですか……!」
突然現れた彼に少し怒鳴ってしまったが、ここで逃げ出さなかったところは褒めて欲しいものだ。
軽く飛澤さんを睨むと、フンと鼻で笑われるだけだった。