170回、好きだと言ったら。



飛澤さんはバイクを止めると、あたしに降りるよう顎を使って指示をした。

…何でこんなにも上からなんだろう。
むっとしているのを隠しながら降りると、飛澤さんの周りにはいつの間にか仲間らしき人達が集まっていた。


「相手が高校生だからどうした?
俺達が成人している身だからと手を抜けと言うのか?
はっ、そんな生温い感情を持っているなら俺やここにいる奴等は家で親と仲良く談笑しているだろうよ。
喧嘩に情けも、手を抜く必要もない」


ぎらりと獣が唸るように飛澤さんは声を低くした。


「俺達がここに立つ以上、本気はいつも常備するもんだ。
女、見ていろ。喧嘩というのは―、それ程汚いものではない」


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