170回、好きだと言ったら。
家の門を閉めて、さて学校へ―と思ったら。
目の前の家から出てきた彼に、思わずため息が零れた。
「…テルくん、髪ぼさぼさだよ」
「……お前が先行こうとしたからだろ。
…責任持って家で飯作れ、着替え用意しろ、もう全部やれ」
「テルくん、横暴ー!!!」
テルくんに腕を引っ張られながら、テルくんのお家へ。
玄関に入るなり、テルくんは靴を脱いであたしを置き去りにした。
普通に考えるなら逃げるだろう。
あたしだって逃げたいよ、逃げられるものなら。
テルくんは怒らせるととても怖いです。
平気で一ヵ月無視を貫き通します。
酷いときなんて、テルくん学校にすら来ませんでした。