170回、好きだと言ったら。
―それからあっという間に時間だけは流れてしまい、テルくんに一度も会えないまま修学旅行の日を迎えた。
事前に飛澤さんには5泊6日の修学旅行へ行くと伝えてある。父親のように「気をつけてな」と言ってきたときはちょっと苛々してしまった。
空港で担任の先生が名簿チェックをしているのを聞いたが、やはりテルくんは来ないようだ。
今ではクラスメイトの殆どがテルくんの話をしていない。
彼が来なくなってから人気も少しは下がったようだ。とは言え、まだ狙っている人は多いと思うけども。
遅刻寸前で小野瀬さんが慌ててやってきた。