170回、好きだと言ったら。
ずれたメガネをかけ直した小野瀬さんは、あたしの方へ視線を向けて、困ったように笑った。
「沖宮さんって何かほっといたら危ないイメージがあるからつい…」
「え、嘘! あたしほっといても何も変わらないよ?」
「あー、好きな人に対してだったら危ないかもね。沖宮さんって尽くすタイプでしょ?」
た、確かにテルくんにはご飯作ってあげたり洗濯物干してあげたり、朝起こしたりするけどそんな事気にしたことがなかった…。
「しかも相手はあの清水くんかー、アンタいい男捕まえたよね」
「東さん、あたしテルくんとは付き合ってないよ?」
「そう…! 絶賛片思い中だよね…!!」
「小野瀬さん、それ内緒。ていうか幼馴染がテルくんだって気づいてたの?」