170回、好きだと言ったら。
●実衣勝手に無茶するなよ
《Side:照道》
事の始まりは170日前。
俺は学校を一週間ほど休み、病院で検査を受けた。そして三日後に検査結果を聞かされて薄々嫌な予感はしていたが、まさか的中するとは思っていなかった。
「君は昔結核に感染したようですね。元々身体が弱いため病院通いしていたおかげで、すぐに完治出来たようですけど…残念なお知らせを言わせて貰います。
君の肺に薄らと影が映されました。これは肺ガンというもので…」
…まるで鈍器で殴られたような気分だった。肺ガンと言ったら下手をすれば《死》の恐れがある病気だ。
そして完治しても再発するリスクが大きい病気として有名だった。
呆然としながらも俺は検査の結果が書かれた紙を受け取った。
「君の身体は少し弱いため手術は予め免疫力をつけてから行うことにします。
1、2週間は様子を見てそれからすぐに手術を始めましょう。結核を完治できた君ならばきっとまた治りますよ」
「……もし完治したとして再発する可能性があるのは何ヶ月間くらいなんだよ?」