170回、好きだと言ったら。



それに驚いて目を丸くさせれば、小鳥遊さんの小さな声が耳に届いた。


「…すみません、僕のせいで巻き込んでしまって」

「コラ、鞠。何でアンタはそんなネガティブやねん!」

「…ですから責任を」

「アホか! それは照道に取らせたり!!
それで本題やねんけどな、実衣ちゃん。正式に鞠が悪鬼実野族に入ったで」

「ほ、んとうですか?」

「せやからコイツに何かされたら俺や桃妃子に言ってな。照道は独占欲強いから、相談しにくいやろ」


何故か挑発するように小鳥遊さんへ視線を向ける潤さん。
思わず首を傾げると、潤さんがあたしに一枚の手紙を差し出した。


「それ、心の整理が出来たら開けて欲しいねん。ほんまは中身確認したいんやけど桃妃子のアホが止めよって…」

「普通止めるわよ!」

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