170回、好きだと言ったら。



まず一度目の「好き」を伝えると、実衣の頬がピンク色に染まった。可愛かったからそこへキスを落とす。


さて二度目、今度は耳元で囁いてみれば面白いほど実衣の肩が震え上がった。
耳に一度キスをしてから至近距離で実衣、と呼べば。


「…て、テルくん、心臓もた、持たないよ…!」

「あ? 我慢しろよ」

「で、でもっひゃっ!!」


首元に唇を寄せて「好き」と言いながら噛み付いてやる。歯型がついたのを見て満足そうに頷いた俺は、今度はどこにしてやろうかと考えた。


「……て、テルくん待って…」

「待てねぇ」


唇に噛み付きたいがそれは170回目の「好き」で締めくくりたい。首元から鎖骨へと唇を滑らせば、実衣があまり抵抗しなくなった。


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