170回、好きだと言ったら。
ちらりと実衣の様子を窺えば、とろけた表情で俺を見つめていた。
…不意打ち絶対、駄目。
一度抱きしめてから「好き」攻撃を続けていれば、実衣のか細い声が俺の耳に届いた。
「て、テルくん…あたしも、言わせて、下さいっ…!
あたしが、170回、好きだと言ったら…お嫁さんに貰って…欲しいです…」
耳まで真っ赤にした実衣は恥ずかしいと言わんばかりに両手で顔を覆い隠してしまった。
…ずるい、実衣は。
きっと実衣もいっぱいいっぱいなんだろうけど、俺はそれ以上に心臓が持ちそうになかった。
「……実衣、キライなんて二度と言わねぇから俺だけを見てろよ」