170回、好きだと言ったら。
佐久間が出したブラックコーヒーを一口飲むと実衣が「これが大人の…!」と少し興奮気味に見つめていた。
どうやら最近大人になることに対して憧れているようで、心底面倒で可愛いが、そんなに急いで成長しなくていい。
実衣は普通に間接キスをしても動じず、コーヒーを一口飲んで顔を歪ませた。
やっぱり実衣はまだまだ子供。一安心だ。
「…よくこんなの飲めるね」
「あれ、実衣ちゃんだ! いつの間に来てたの??」
「心ちゃん!」
実衣の友達だという小野瀬はどうやら小鳥遊に惚れているらしい。
何となく二人を見てみれば、小野瀬の一方的な片思いのようだ。