170回、好きだと言ったら。



ぽつり、ぽつぽつと雨音が聞こえて目が覚めたあたしは、今何時かと時計を見た。


「え、もう9時…!??」


普通に2時間くらい寝ちゃってたよ…!
膝上にいるはずのテルくんもいつの間にかいないし、どこに行っちゃったのかな…。


「そういえば雨音…! わっ、結構雨降ってる…」

「実衣、起きたのかよ」

「テルくん!」

「…天気予報やっぱ大幅にずれてたな。雨、ここ最近降ってなかったのに」

「飛澤さんも雨降るとか言ってったっけ…」


あ、飛澤さんの話はNGだったんだ。
普通に口に出してしまったことに後悔していると、テルくんはあたしの隣に腰を下ろす。

手に持っていたのはビニール袋。
テルくんの肩にはタオルが引っ掛けられていて、少しだけシャンプーの香りがした。


「…もしかして、テルくん。こんな雨の中、ご飯買いに行ってくれたの?」

「実衣が爆睡してたからな。別に怒ってねえから、で? その飛澤ってのはアイツのことかよ」


聞こえてたんだね…! てっきりスルーしてくれたから触れないと思ってたのに…!!


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