170回、好きだと言ったら。


そんな事俺だって知りたい。
ふと時計を見て、そろそろ6時を迎えようとしていたことに気づくと、俺はバイクの鍵を片手に立ち上がる。


「何や? もう姫さんの迎えかいな」

「…まあな、アイツ一人にさせると誘拐とかされそうだし」

「ハハ! 照道に心配されてるなんて天地がひっくり返っても思ってないんやろうなあ」

「てめぇ…一発殴らせろ。地面に埋めんぞ」

「堪忍してーや」


ほな、また明日なーと手を振る佐久間。そして俺の仲間達が頭を下げたのを横目で確認して、その場を去る。


げほっと一度咳き込むと、俺は咳止めの薬を飲んでから、実衣に連絡をかけた。


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