170回、好きだと言ったら。


テルくんがご飯を食べているのを眺めていると、先程まで料理番組を映していたテレビがニュースへ変わる。


丁度そこに映されたニュースは、最近頻繁に起こる暴力事件やら盗難事件ばかりだ。


あたしも背後から誰かが近づいて来て…何て考えるとぞわぞわしてくる。


「…ね、ねえテルくん。今日も早退しちゃうの? 単位取れないよ?
そ、それに今ニュースで放送されてる通り危ないよ」

「別にどうでもいい、つーか男が簡単にやられてたら情けねえだろ。それに今日は仲間とバイクで走り回る約束してんだよ」

「…そ、か。テルくんがそういうなら仕方ないね!
あ、せめてお弁当は持って行ってね?
折角作ったんだから」


テルくんの機嫌を損ねないように気をつけながら言えば、ん、と小さな返事が返された。

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