170回、好きだと言ったら。
朝、目を覚ましたらまずテルくんに電話。
今日は学校来れるか聞いたり、時々テルくんから先に連絡があって「学校サボる」と一言送られることもあったりする。
最近では後者の方が多いけれど、テルくんとの日常はいつもそんな感じだ。
「一度、ちゃんと話してみたらどうかな?
自分の思ってること、不安なこと、全部打ち明けてみてもいいと思うの。
だって幼馴染って、もしかしたら家族より一緒にいた存在かも知れないでしょ?」
「…打ち明ける、かあ。そっか」
小野瀬さんの言う通り、あたしの17年間は全部テルくんと一緒にいることが多かった。
お兄ちゃんといた日々は、まるでビー玉のように小さいけど、それでも宝物だ。
「ありがとう、小野瀬さん。
あたし、向き合ってみるよ」
満足そうに頷いた小野瀬さんを見て、あたしは少しだけ胸の奥がじんわりと温かくなった気がした。