170回、好きだと言ったら。



次にあたしが目覚めたのは、既にお昼を過ぎた時間だった。

テルくんが隣にいないのを確認して起き上がると、あんなにも眠ったはずなのに、しょぼしょぼする目を擦って一階へ下りる。



テルくんの両親は海外出張(テルくんがそう言っていた)らしく、あたしのお父さんと同じく殆ど家には帰って来ない。


いつの間にか二人きりが多くなったあたし達は緊張とかあんまりなくて。

でも…、あたしはテルくんが好きだから、近寄られたりすると心臓がうるさくなる。



「テルくんー…?
あたしお母さんとお兄ちゃんにお線香あげたいから、一度家に帰るねー?」


どこにいるのかとリビングに入ればぼんやりとテレビを眺めていたテルくんを見つけた。



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