蒼姫様は、守られません!!② ~完~
「ねぇ、璃咲。

私と、私たちともう一度、

家族にならない?」



お姉ちゃんはその言葉に一瞬目を潤ませて不器用に笑う

これは、アタシにも分かる


ねぇ、お姉ちゃん

アタシたち、ちゃんと娘やれてたんだね

アタシ今驚いちゃった

ママの意図が分かるなんて思ってなかったから


お姉ちゃんはアタシを見て微笑んでママを見つめる



「ぜっったい、やだ!

あたしのこと捨てた人と一緒に暮らしてあげようと思うほど

あたしは優しくない!」



お姉ちゃんがそこまで言ったとき、ママが下げていた顔を上げる

その顔はすっきりしていてやっと、みんな前に進めるって思えた

だけど、お姉ちゃんは気に食わなかったらしく、また口を開いた



「でもね、あんたには感謝してるよ。

あたしをこの世に産んでくれてありがとう。

たった3年だけど育ててくれてありがとう。

そのおかげで大切な人たちに出会えたの

だから、それだけは感謝してあげる」



感謝してあげる、だなんて素直じゃないなぁ、お姉ちゃんも


改めて周りを見るとママが鼻をすするのが見えて良かった、と思った
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