隣のキミ。
受け取った七海は、物凄く嬉しそうな…
今まで1度も見たことのない笑顔で、頭をあげた。
『まさか七海ちゃんから言われるなんてね』
『…………』
七海は輝から貰ったボタンを握りしめ、後ろを向く。
そして思いっきりそのボタンを向こう側へと投げた。
「え…」『え…』
そのまま走り去って行く七海の後姿を俺と輝は呆然と見ていた。
七海は、歯が抜けた時に屋根に投げるように、そんな迷信を行ったのだろうか。
第二ボタンを投げると恋が叶う…とか。
そうじゃないと、あの見たことのない笑顔をすることはないだろう。