隣のキミ。
傘を差し出したまま、じっと訴えるように俺を見てくる。
もしかして、輝に渡して欲しい、ってことなのか。
受け取ろうとした時、ドタドタと足音が聞こえた。
「真緒、お待たせ~!傘1本しか借りれ」
「こ、これ良かったら使ってください!!」
「えっ?いいの?」
そして、傘を受け取る輝。
良かったな、七海。自分で渡せて。
と思い見守っていたのだが…
「えっ!?七海ちゃん!?」
七海は勢いよく昇降口から出て行った。
雨が降っているというのに、傘もささずに。
渡せて嬉しかったのか、恥ずかしかったのか…?