隣のキミ。
彼は鈍感。
- 梨子side -
今日もとてもいい天気。
今日も私の心は晴れやかだ。
なぜなら、今日も真緒くんに会えるから。
隣の席になってからは、授業中の真緒くんや休み時間中の真緒くん…
色んな真緒くんが近くで見れる。
『もーっ!まーくん待っててって言ったじゃない!どうして置いて行くのよー!』
そんな声が教室の中から聞こえ、私のテンションは少し下がる。
瀬戸輝は休んでいれば良かったのに。
「上靴に履き替えるだけで時間かかりすぎだろ」
「だってぇー…あっ!七海ちゃん、おはよん☆」
何か言い訳をしようとする瀬戸輝は私を見つけ、挨拶をして来た。
別に嬉しくない。
「…おはようございます」
いつものように素っ気なく挨拶を返す。
すると、隣から声が聞こえた。
「おはよう、七海」
真緒くんが私に挨拶してくれた!!嬉しい!!
先程、下がっていたテンションも復活する。