隣のキミ。


授業が始まり、机の上に教科書とノート。

そして筆箱を出そうとしたのだが…

筆箱がない。

そういえば、昨日宿題をした後に鞄の中に戻すのを忘れていたんだった。

授業が始まる前に気付いていれば購買に買いに行ったのに…。


「七海」


急に隣から名前を呼ばれ、びくっと肩をあげてしまう。

そっと声のした方を見ると、筆箱からシャーペンを取り出し、私に向かって差し出した。

ま、真緒くんが私にシャーペンを貸してくれるの!?

真緒くんの使っているシャーペン……ごくり…

じゃなくてっ…!!

真緒くん、私が筆箱を忘れて困っているのに気が付いてくれたんだ。

優しい。




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