隣のキミ。


そんな考え事をしていると、いつの間にか真緒くんの手は引っ込められていた。

あ、あれ…?

真緒くんは左隣の瀬戸輝に話しかけ、シャーペンを受け取ると、また私に差し出した。

差し出されたシャーペンは先程の真緒くんのシャーペン…

ではなく、瀬戸輝のシャーペンだ。

私のバカ!!どうしてすぐ受け取らなかったのよ!!

そのせいで瀬戸輝のシャーペンを借りる事になってしまったじゃない!!

私は真緒くんから瀬戸輝のシャーペンを受け取り、ノートに「バカ、バカ」と何度も書く。

真緒くんのシャーペンを借りれなかったこと…

そして、恋敵に借りを作ってしまったことへの自分への怒りだ。


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