隣のキミ。
私は勇気を振り絞り、真緒くんの元へと駆け寄った。
「あっ…あの……!!」
「「ん?」」
私は頭を下げ、両手を前に出す。
「だ…だ、第二………をく……い」
「え?七海ちゃん、何?」
駄目だ。
声が出ない。
緊張でドキドキしっぱなしで、心臓の音がうるさい。
頑張らなきゃ…私……
今日を、今この時を逃したら、もう一生真緒くんの第二ボタンが貰えない。
一言だけ。一言だけ頑張って声を出せばいい…!!
「第二ボタンをっ…私にください……!!」
「あ。は、はい」
言えた!!声が出た!!
この声なら、真緒くんにも届いたはず。