隣のキミ。


「あのー」

「ん?」


昼休み。

廊下側の窓越しに声を掛けられ、振り向く。

あまり見たことのない顔の女子。

多分、隣のクラスの誰かだろう。


「ここの席の七海ちゃんは…?」

「あー七海なら…」


辺りを見渡すが七海の姿はない。

いつもなら大体目につく近くにいるはずなんだが…


「何してるの?まーくん。七海ちゃん今日お休みでしょ」

「あ。そうだった」


つい、七海を捜してしまった。

毎日近くに、目の届く距離にいることが多いから当たり前になってしまっている。


「七海は今日休み」

「そっか。数学のノート、隣のクラスと一緒に集めるようにって言われてたんだけど…」


女子の手元を見ると、重そうにノートを抱えていた。

そういや、数学の終わりに前の机にノートを集めて、あとで持ってくるようにと先生が言ってたな。

で、持っていく数学の係は七海だったわけか。




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