隣のキミ。
俺は前の机からノートを持ち、廊下に出る。
「代わりに俺が行く」
「ほんと?助かるよ。ありがとう」
「あたしも手伝おうか?」
「いや、運ぶだけだし。それより帰り行きたいって言ってた店絞っとけよ」
「はーい」
パラパラと雑誌を捲り出す輝。
この前のクレープ屋の次は、カフェだのパンケーキ屋だの…
とりあえず甘い物が出る店に行きたいと言い始め、選び切れずにずっと延期している状態だ。
「全部行けば」と言っても、「太っちゃうから無理~!いずれは行くけど」と。
幼なじみながら、よくわからない奴だ。