隣のキミ。
その声のする方へと行こうと思ったが、足が止まる。
『つーかさ、瀬戸といつも一緒にいる奴いんじゃん?えーっと名前なんだっけ…』
『倉本?』
『そうそうそいつ。あいつらぜってぇできてんだろー』
『俺もそれ思ったし、そういや中学の頃もずっと一緒にいたわ』
『まじかよ。気持ちわりぃー』
できてる…
付き合ってる、ってことか。
俺のことはどう言われようが、まぁその辺はどうでもいいけど。
輝のことだけは言われたくない。
『倉本もぜってぇ変な』
『黙ってもらえませんか』
『は?』
『誰?』
急に女子の声が聞こえ、角からそっと覗いてみる。