隣のキミ。
先程まで会話をしていたであろう男子2人の前にいたのは七海だった。
『先程からの会話、全て撤回してください』
『は?急に何言ってんの、お前』
『つーか誰だよ』
『私が誰なのか、なんて今はどうでもいいです。とりあえず真…倉本くんと瀬戸くんに謝ってください』
こんなに普通の声の大きさで、ペラペラと話す七海を初めてみた。
それより、七海がなんで……
『謝る?なんで?』
『2人のことを何も知らないくせにくそみたいな陰口を叩いていたからです』
『はぁ?』
『不快だったので私にも謝って欲しいくらいです』
そうか。
七海は輝のことが好きだから…
好きな奴のことを悪く言われたら不快だよな。
いつも小さな声で大人しい七海が、輝のために…。