隣のキミ。
伝えるのはもう遅い。
- 梨子side -
なんとか熱も下がり、学校に来ることが出来た。
家に出る前までお姉ちゃんに「今日も休みなさい」と捉まって大変だったけど…。
今日はどうしても行かなきゃいけなかったから。
昨日の決意と勇気が消えない内に。
「…お、おは………ざい…す…」
まずは挨拶。
相変わらず声は出ないけど、挨拶をする行為自体が一歩前進。
聞こえていなくても、それでいい。
「おはよう、七海」
そう思っていたけど、真緒くんは挨拶を返してくれた。
嬉しい。
私は頷き、席へと着く。
今日は頑張るんだ。