隣のキミ。


私の心臓は音が外に聞こえそうなくらいうるさく、頭もクラクラしている。

昨日の熱より、体温は高くなっているんじゃ…?

真緒くんに初めて手を握られ、緊張と幸せ感で今にも倒れてしまいそうだ。

真緒くんは後ろを向くと、安堵の息をつき、手を離した。


「急に悪かったな七海。でも、あいつらなんか手とか出しそうだったし…」


まだ手には真緒くんに握られていた感触が残っている。

ずっと繋いでいたかった気持ちは勿論あるが…

離してもらって助かったかもしれない。

あのままだと本当に倒れちゃったかも。


「あんな陰口、七海は適当に流しとけばいいから。今度からは無視しとけよ?」


次に真緒くんから出た言葉は理解が出来なかった。

そんなの無理に決まっている。


「……は…りです」

「ん?」


だって、好きな人だから。

あんな陰口を見逃せるわけがない。


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