隣のキミ。


私はポケットに入れておいたラブレターを真緒くんに差し出した。


「こ、これを…………てく……い」


やっぱり声は出ない。

このラブレターを真緒くんに差し出すだけで精一杯だ。

外見はラブレターと一目でわかるように作ったから…

きっと伝わるはず。

真緒くん、こんな私でごめんなさい。

でも、私なりの精一杯の気持ちと勇気をどうか受け取ってください。

そう願うように頭を下げた。


「七海、こういうのは自分で渡した方がいい」

「………?」


真緒くんは受け取らず、私の手首を掴み、差し出した手を下に降ろさせる。

私は、言葉の意味がわからず、顔を上げる。


< 73 / 138 >

この作品をシェア

pagetop