隣のキミ。


しばらくすると輝は目を覚まし、特に異常はなく無事だった。


「良かったね、なんともなくて。梨子ちゃんが先生をすぐに呼んでくれたのよ」


先生の後ろに隠れ、少しだけ顔を出す。

そこで初めて彼女を知った。

それからというものの、少し周りを見渡せばよく七海を見かけるようになったのだ。

多分、彼女の存在を知り、意識するようになったから見かけるようになったのであって。

以前から感じていた視線は多分彼女だったんだと思う。

そして年々彼女と俺達の距離は物理的に近くなっていった。

で、今は俺の右隣の席である。


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