隣のキミ。
俺にとっては、その食べ物が好きか嫌いかなんてどうでもいいからだ。
相手の好きな方を選ばせて、俺はその残りでいい、と思っている。
例えそれが自分の嫌いな物でも、関係ない。
「まーくんのそういうところは凄く素敵だと思う。でも、それって時によっては逃げてるだけじゃない?」
「逃げてる?」
「そうよ。自分で選択することから、ね」
自分で選ばず、まずは相手に選ばせる。
それは良く言えば思いやり、悪く言えば単に逃げているだけ。
「まーくんは自分が選ぶことによって相手がどう思うかを気にしてるの」
輝の言っていることは正しい。
俺は相手にどう思われるのかを気にして、自分で選ぶことをせずに逃げている。